三つの順位表が、そろって選んだ4枚
歴代のユニフォームで「人気」と言われるものを、数えられる形に置き換えました。英国の公開ランキング3本を重ねて、全部に載った4枚 と、二つに載った26枚。作った人の名前と意図は、分かった分だけ。日本のものは最後に。
2026年9月5日 · 読みものは日本語だけです · PR この記事にはAmazon・楽天市場の検索結果への広告リンクが含まれます
吊るしてあるのは、この記事のために描いた架空の7枚です。どのクラブのものでもありません。
私は用具係です。二十年、他人のユニフォームを畳んできました(という設定で書いています)。今回は「歴代の人気ユニフォーム」を並べてほしいと頼まれました。困りました。人気は、洗濯機では測れません。
売れた枚数も、検索された回数も、私の手元には来ません。手元に来るのは、誰かが公開した順位表だけです。それなら、と考えました。順位表を三つ重ねて、同じ1枚が何本に載ったかを数える。私が選ぶのではなく、選んだ人たちの重なりを数える。この記事で「人気」と呼ぶのは、その意味です。
先に一つ。三つの表のどれにも、買い物へのリンクが混じっています。雑誌の項目の多くに「Ebayで探す」の類があり、90minには古着店の投稿が埋め込まれ、古着店の表は自分の店の商品へつながります。私もこの記事に、Amazonと楽天市場の検索結果へのリンクを付けます。同じことをするので、同じように最初に書いておきます。
この順位は、何の順位か
重ねたのは、次の三つです。
FourFourTwo (英国のサッカー誌)「Ranked! The 100 best football kits of all time」。100枚、番号つき。2022年12月26日公開。以下「雑誌」と書きます。
90min (英国のサッカー媒体)「The 25 best retro football shirts of all time - ranked」。25枚、番号つき。2024年4月28日公開。「レトロ」の枠 なので、新しい1枚は最初から載りません。
Cult Kits (古着のユニフォームを売る店)「The 50 Greatest Football Shirts Of All Time」。50枚、番号なし 。掲載日は2026年6月1日。文はJosh Warwickさんで、These Football Timesのために書かれたものです。以下「古着店」と書きます。
三つすべてに載ったのが4枚 、二つに載ったのが26枚 でした。同じ段の中は、雑誌の順位の順に並べます(雑誌に無い1枚だけ、90minの順位で末尾に)。番号のない古着店の表は、載ったか載らないかだけを見ます。
「同じ1枚」の判定は、チームと時期と用途(ホームかアウェイか)が重なり、本文の記述(作り手・スポンサー・模様)が同じものを指すとき、としました。年の表記は表ごとに揺れます。雑誌には見出しの年が本文と合わない箇所が二つあり(4位の「1998」と2位の「1998-90」)、そこは本文の記述を採りました。理由はそれぞれの項で書きます。数え方はこちらで決めたもので、公式の格付けではありません。
1位 — デンマーク代表 1986 ホーム(hummel)
雑誌 1位 / 90min 3位 / 古着店 掲載
赤いシャツを縦に半分に割って、片側だけ細い縞にした1枚です。雑誌は「半分ずつに割った解決」「細い縞と純粋な赤を同時に」と書きました。三つの表で、1986年のデンマークを外したものはありません。雑誌では1位、90minでは3位、古着店では先頭です。
作ったのはデンマークの会社hummelです。hummel自身が会社の歴史のページで、2023年の創業100年の主題に「1986年のデンマーク代表シャツ」を先頭に据えたと書いています。デンマーク協会との協力は1979年からだとも。90minは、この半分ずつの柄をhummelが2023/24シーズンに提携クラブ(サウサンプトン、ケルン、ブレーメン等)向けに作り直した、と書いています。
私が気になるのは、この1枚が「型紙」だったことです。古着店は「どれを選ぶか。コヴェントリーか、ヴィラか、サウサンプトンか、ヴェローナか」と候補を並べたうえで、デンマークを選んだと書いています。雑誌も、サウサンプトンやアストン・ヴィラが同じ会社から似たデザインを与えられた、と。同じ型紙で作られた中で、三つの表に残ったのはデンマークだけです。布は同じでも、着た人と場所で残り方が違います。
雑誌の10位から1位 ↗ ・ 90min ↗ ・ 古着店 ↗ ・ hummelの歴史(デンマーク語) ↗
2位 — オランダ代表 1988 ホーム(アディダス)
雑誌 4位 / 90min 1位 / 古着店 掲載
オレンジの地に、斜めに並んだ小さな四角の模様。90minはこれを1位に置き、「史上最も有名なサッカーシャツ」と書きました。古着店も載せています。ただ、古着店の文は、当時の選手のフリットがこの模様を魚の鱗のようだと言って好まなかった、という話も添えています。いま褒められている1枚が、当時から褒められていたとは限らない。 この記事では何度も出てくる型です。
雑誌については、正直に書きます。雑誌の4位の見出しは「Netherlands: home, 1998」です。1998ではなく1988では、と私は読みました。本文が挙げているのは「三角の模様」「アディダスのトレフォイル」で、Wikipediaのサプライヤー表ではオランダ代表は1974年から1990年までアディダス、1996年からナイキです。1998年の1枚にアディダスのマークは付きません。ですから見出しではなく本文を採り、1988年の1枚として数えました。見出しの年が正しいと分かれば、この1枚は「二つに載った」側へ移ります。
デザインしたのは、アディダスのデザイナー、イナ・フランツマンさんとされています 。一次資料(アディダスや本人の公表文)には届きませんでした。届いたのは、古着店Classic Football Shirtsが2018年4月に公開したインタビュー動画の説明文と、米国と伊国のメディア2誌の記事です。三つとも同じ名前を挙げています。米国の記事は、この模様が後に「Ipswich」型と呼ばれ(イプスウィッチ・タウンが最初のクラブだったため)、1988年から90年代初めまで29のクラブ・代表が使った、とも書いています。
値段の話を一つだけ。90minは、状態の良いものなら500ポンドはする、と書いています。これは英国の媒体が2024年に書いた相場の話で、円には直しません。上がるとも下がるとも、私は言いません。
90min ↗ ・ 古着店 ↗ ・ 雑誌の10位から1位 ↗ ・ インタビュー動画(YouTube) ↗ ・ Urban Pitchの記事 ↗ ・ Wikipedia(サプライヤー表) ↗
3位 — アーセナル 1991-93 アウェイ(アディダス)
雑誌 10位 / 90min 4位 / 古着店 掲載
黄色の地に、濃紺の山形の模様。通称は「bruised banana」、傷んだバナナです。雑誌はこの1枚について、2000年代に入って「史上最悪の一つ」と呼ばれ、20年後に「古典」と呼ばれた、と書きました。90minは「山形の模様と赤の差し色」を挙げています。
古着店の文には、用具係の好きな話が二つあります。この型紙はアディダスの「Italia」という名で、赤・青・黄の3色があり、リヴァー・プレートも着た。そして1991年9月、イアン・ライトがレスターで最初のアーセナルのゴールを決めたとき着ていたのがこれだった、と。
作り手の側も、この1枚に何度も戻ってきています。アーセナルの公式サイトは、2019/20のアウェイを「1990年代初めの『bruised banana』に着想を得た」1枚として発表し、2026/27のアウェイでも「1991-93に着用されたBruised Bananaの精神を現代へ」と書いています。最悪と呼ばれた1枚に、作り手が繰り返し戻ってくる。三つの表がそろって載せた理由は、私にはここに見えます。
雑誌の10位から1位 ↗ ・ 90min ↗ ・ 古着店 ↗ ・ アーセナル公式 2019/20 ↗ ・ アーセナル公式 2026/27 ↗
4位 — メキシコ代表 1998 ホーム(Aba Sport)
雑誌 16位 / 90min 18位 / 古着店 掲載
緑の地に、石の彫刻のような模様を全面に置いた1枚です。作ったのはメキシコの会社Aba Sport。Wikipediaのサプライヤー表では1995年から1998年までの契約です。
何が描いてあるかで、表どうしが一致していません。雑誌は「アステカの神ケツァルコアトルを描いた」と書き、古着店は「アステカの暦の太陽の石を模した」と書きます。どちらもアステカですが、神と暦は別のものです。私はどちらも選びません。両方こう書いてある、とだけ書きます。
90minは「長く見ていると本当に目が痛くなる」「意見を割りながらも古典と広く見なされている」と書きました。古着店は、緑・白・緑と赤の3色があり、模様がいちばん映える緑を選んだ、と。目が痛くなる、と言いながら90minは18位に置きました。強い模様は好きと嫌いを同時に集めるのだと、私は思います。
雑誌の20位から11位 ↗ ・ 90min ↗ ・ 古着店 ↗ ・ Wikipedia(サプライヤー表) ↗
二つの表に載った26枚
三つのうち二つに載った1枚を、雑誌の順位の順に並べます。作り手は、表の本文に書いてあるものだけ添えます。各行の末尾に検索のリンクを置きました。
PR 行末のリンクはAmazon・楽天市場の検索結果です。特定の商品を指していません。
西ドイツ代表 1988-90 ホーム (アディダス) — 雑誌2位・90min 2位。見出しは「1998-90」ですが、本文は「Italia 90」の1枚です。模様が西ドイツの歩みを表すという話を、雑誌自身が「伝説によれば」と断り、90minは「美しく無作為」と評しました。 Amazon ↗ 楽天 ↗
アメリカ代表 1994 アウェイ (アディダス) — 雑誌6位・古着店掲載。デニムのような青に白い星。当時の広報担当の「選手たちはただ唖然としていた」という言葉を、古着店が引いています。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ボカ・ジュニアーズ 1981 ホーム — 雑誌8位・古着店掲載。マラドーナが着た1枚。色の由来が「港に最初に入ってきたスウェーデン船の旗」だという話は、雑誌もWikipediaも「伝説」と断ったうえで載せています。 Amazon ↗ 楽天 ↗
マンチェスター・ユナイテッド 1990-92 アウェイ (アディダス) — 雑誌12位・90min 12位。通称「snowflake」。2021/22のアウェイで作り直されました。 Amazon ↗ 楽天 ↗
イングランド代表 1990 サード (Umbro) — 雑誌13位・古着店掲載。淡い青に菱形。トルコ戦の1試合しか着ていません。90minの6位にある1992/93のサード(胸に大きなライオン3頭)は別の1枚です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ニューカッスル 1995-97 アウェイ (アディダス) — 雑誌14位・古着店掲載。えんじと紺の横縞。古着店によれば5試合しか着ていません。雑誌には、レス・ファーディナンドが会長に「ラグビーのキットみたいだ」と言った、とあります。 Amazon ↗ 楽天 ↗
バルセロナ 1995-97 アウェイ (Kappa) — 雑誌18位・古着店掲載。多角形のブロックの模様。90minの5位は同じ時期のホームで、別の1枚です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
クラブ・アメリカ 1994/95 ホーム (アディダス) — 雑誌20位・古着店掲載。古着店によれば、この型紙は1994年のワールドカップでドイツ代表が先に着た「ダイヤモンド」型です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
フランス代表 2011 アウェイ (ナイキ) — 雑誌23位・古着店掲載。ボーダー。フランスの服の定番「マリニエール」が元だ、と古着店。 Amazon ↗ 楽天 ↗
フィオレンティーナ 1998/99 ホーム (Fila) — 雑誌24位・古着店掲載。胸に任天堂。肩には任天堂のロゴの形を置いた、と雑誌は見ています。 Amazon ↗ 楽天 ↗
パルマ 1998-2000 ホーム (Champion) — 雑誌27位・古着店掲載。作ったのは、古着店の言い方を借りれば「NBAで知られたブランド」です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
インテル 1997/98 サード — 雑誌28位・古着店掲載。灰と黒の横縞。UEFAカップで着た1枚。 Amazon ↗ 楽天 ↗
トッテナム 1985-87 ホーム (hummel) — 雑誌33位・古着店掲載。デンマークと同じ会社。山形と、斜めの細い縞。 Amazon ↗ 楽天 ↗
マンチェスター・シティ 1998/99 アウェイ (Kappa) — 雑誌34位・古着店掲載。蛍光の黄と黒の横縞。1999年5月30日のプレーオフ決勝で着た1枚。雑誌の見出しは「1999」、古着店の見出しは「1998」ですが、本文の記述は同じ1枚を指しています。90minの22位は前の年のアウェイ(えんじの横線)で、別の1枚です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ブラジル代表 1994 ホーム (Umbro) — 雑誌35位・90min 17位。大きなエンブレムを地に何度も置いた1枚。雑誌の言い方では「Umbroの最後のブラジル」。 Amazon ↗ 楽天 ↗
アルゼンチン代表 1986 ホーム (Le Coq Sportif) — 雑誌37位・古着店掲載。メキシコの暑さのためにエアテックス素材で作られ、中央の縞が白だった、と古着店。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ブラジル代表 1998 ホーム — 雑誌44位・古着店掲載。袖から襟へ緑の線。 Amazon ↗ 楽天 ↗
クロアチア代表 1998 ホーム (Lotto) — 雑誌57位・古着店掲載。市松の旗の模様を右肩に。初めてのワールドカップで着た1枚。 Amazon ↗ 楽天 ↗
フランス代表 1982 ホーム — 雑誌64位・古着店掲載。白と赤の細い縞と、大きな雄鶏。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ベルギー代表 1984 ホーム (アディダス) — 雑誌69位・古着店掲載。胸の白い部分にアーガイル模様。 Amazon ↗ 楽天 ↗
インテル 1991-93 アウェイ (Umbro) — 雑誌71位・古着店掲載。白地に、引き伸ばした青と黒の三角。雑誌の見出しは「1992」です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ヴェルディ川崎 1993/94 ホーム (ミズノ) — 雑誌76位・古着店掲載。日本から唯一、二つの表に載った1枚です。あとで書きます。 Amazon ↗ 楽天 ↗
ACミラン 1988-90 ホーム (Kappa) — 雑誌91位・古着店掲載。胸にMediolanumの戦車のマーク。雑誌の見出しは「1989/90」です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
北アイルランド代表 1990 アウェイ (Umbro) — 雑誌96位・古着店掲載。「90年代のUmbroの頂点」と古着店。 Amazon ↗ 楽天 ↗
サンテティエンヌ 1980/81 ホーム — 雑誌99位・古着店掲載。緑と、大きなスポンサー。 Amazon ↗ 楽天 ↗
レアル・マドリード 1999-2001 の黒 (アディダス) — 90min 25位・古着店掲載。雑誌には無いので末尾に。90minは「アウェイ」、古着店は「サード」と呼びます。2000年のチャンピオンズリーグ決勝で着た1枚です。 Amazon ↗ 楽天 ↗
同じチームでも、どの年か
頼まれたもう一つの問いは「同じチームなら、いつの時期のものが人気か」でした。三つの表を重ねると、年が散るチームと、年が集まるチームがあります。そのあとに、数え方の注記が二つ残ります。
年が散るチーム。 三つの表が、三つ別の年を選びました。ドルトムントのホームは、雑誌が1995/96(5位)、90minが1993/94(13位)、古着店が1990/91。リヴァプールのホームは、雑誌が1993-95(7位)、90minが1991/92(8位)、古着店が1989/91。どの年も選ばれ、どの年も一致しない。「この時期」と一言で言えないチームです。90minはドルトムントについて「どの年でも載せる価値がある」と書いています。
年が集まるチーム。 ニューカッスルは雑誌に3枚(1995-97ホーム3位・同アウェイ14位・1998/99アウェイ75位)、90minに1枚(1997/98アウェイ23位)、古着店に2枚(1995/96アウェイ・1996/97のゴールキーパー用)。1995年から1999年に集まっています。
注記の一つ目、ナイジェリア。 雑誌に3枚(2018ホーム9位・1994アウェイ25位・1994ホーム52位)、90minに1枚(1996/98ホーム15位)、古着店に1枚(1994ホーム)。ただし、雑誌の1994ホームはナイキ製、古着店の1994ホームはアディダス製と書かれています。同じ年の同じホームで、作り手が違う。私は同じ1枚と数えませんでした。ラベルを見れば分かることですが、現物は手元にありません。
注記の二つ目、雑誌だけで見た枚数。 ブラジルは4枚(1970=58位・1986=67位・1994=35位・1998=44位)、フランスも4枚(1982=64位・1984=46位・1998=17位・2011/12アウェイ=23位)、アーセナルも4枚(1971=54位・1991-93=10位・1993-95アウェイ=21位・2005/06=30位)。オランダは1974(47位)と、上で書いた1988の2枚です。雑誌はブラジル1970について、大会の前半と後半で作り手が違うので「合同のような項目だ」と断っています。
作った人と、その意図
「誰が作って、どんなつもりだったか」は、いちばん裏の取りにくい話でした。作り手の公表文か、博物館の記録に届いたものだけ書きます。
ナイジェリア代表 2018 ホーム(ナイキ)
雑誌 9位 / 90min 対象外(レトロの枠) / 古着店 なし
三つの表の数え方では1本にしか載りません。それでもここに書く理由があります。博物館が持っているからです。
ロンドンのV&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)の収蔵記録に、この1枚があります。記録はこう書いています。ナイキのヘッドグラフィックデザイナー、マシュー・ウルフの指揮のもとで作られた。1994年の最初のワールドカップのシャツに着想を得、模様はチーム名のスーパーイーグルスを指す。2018年2月の発表時に300万枚の予約があり、発売日にはオックスフォード・ストリートの店で1時間以内、オンラインでは3分で売り切れた、と。300万は博物館の記述で、私は数えていません。人気の証明にも使いません。ただ、収蔵番号はCD.17-2020、ナイキからの寄贈、2026年9月5日の時点で「Design 1900 to Now」の展示室(Room 74)に出ている。ここまでは記録です。
雑誌は「サッカーのユニフォーム文化を永遠に変えた製品」と書きました。ロシアの大会で着たのは1試合だけだった、とも。
V&Aの収蔵記録 ↗ ・ 雑誌の10位から1位 ↗
オランダ1988と西ドイツ1988-90(アディダス)
上で書いたとおり、どちらもイナ・フランツマンさんの仕事とされています (古着店の動画の説明文と、メディア2誌)。一次資料には届いていません。西ドイツの模様が「1974年の優勝から1990年までの歩み」を表しているという話は、雑誌自身が「伝説によれば」と書き、続けて「意味を持たなくてもよい」とも書いています。90minは「美しく無作為」。作り手の言葉が取れない以上、私もそこまでにします。米国と伊国の2誌は、1988年のシャツを1990年のワールドカップでも着たのはベッケンバウアー監督の意向だった、と書いています。これも帰属のまま置きます。
雑誌の10位から1位 ↗ ・ 90min ↗ ・ Urban Pitchの記事 ↗ ・ nss sportsの記事 ↗
メキシコ1998(Aba Sport)とアーセナル1991-93(アディダス)
上の項で書きました。メキシコは「何を描いたか」(神か、暦の石か)で二つの表が一致せず、アーセナルは公式サイトが2019年と2026年に自分でこの1枚に戻ってきています。作り手の意図が公表文で読めるのは、私が届いた範囲では、アーセナルと、次の日本のものだけでした。
日本のものは
雑誌の100枚には、日本のものが3枚あります。ヴェルディ川崎1993/94ホーム(76位)、名古屋グランパスエイト1994/95ホーム(50位)、日本代表2022ホーム(79位)。古着店の50枚にも「Tokyo Verdy - 1993 Home」が載っていて、ヴェルディ川崎の1枚は、日本から唯一、二つの表に載りました。 作ったのはミズノです。雑誌は「日の出を思わせる」と書き、古着店は「ミズノのデザイナーは明らかに好きにやらせてもらっていた」と書いています。名古屋については、雑誌はスポンサーの代わりに胸にクラブの名前を書いたことを褒めています。
日本代表2022について雑誌は、「神奈川沖浪裏」のようにも、選手が控室に残した折り鶴のようにも見えるが「誰にも分からない」と書いています。分からない、と書く雑誌は正直だと思います。
別の表も一つ。FOOTBALL ZONEは2019年11月、同じ雑誌が「ザ・フットボール・シャツ・ブック」と共同で選んだ別の50枚の表を報じています。そこではヴェルディ川崎が17位、名古屋1994が27位、ガンバ大阪1996ホームが50位、1位は1986年のデンマーク。元の表そのものには届いていないので、報道として書きます。
日本代表だけの順位表もあります。フットボールチャンネル編集部が2026年5月7日に公開したもので、1位が1998年(フランス大会)、2位が2022年(カタール大会)、3位が2006年(ドイツ大会)、4位が2026年(北中米大会)、5位が2002年(日韓大会)。編集部が決めた順位で、ワールドカップの前に書かれたものです。大会の結果は、この記事には書きません。
この表の説明が、作り手の意図の代わりになります。1998年は「炎の大胆なグラフィック」。2022年は、2002年の決勝後に舞い上がった折り鶴から着想した「ORIGAMI」。2006年は「日本刀」の刃文。2002年は、襟から袖に走る赤い線が湖面の「逆さ富士」。1998年の作り手の名前は、私が確かめられた資料には無いので書きません。
作り手の公表文が読めるのは、JFA(日本サッカー協会)のここ数年の発表です。
2024年 (6月22日発表): ヨウジヤマモトとアディダスのY-3による1枚で、日本代表でこのブランドは初めて。コンセプトは「FIRE(炎)」。炎のグラフィックはヨウジヤマモトのデザインで、ホームはダークネイビーに「青い炎」。デザインした人の名前が公表文にある、数少ない1枚です。
2026年ホーム (11月6日発表・11月14日のガーナ戦から着用): コンセプトは「HORIZON(水平線)」。胸の中央に、日本を囲む海と空が交わる水平線を思わせるグラフィックが入り、首の付け根には日の丸が付いています。
2026年アウェイ (2026年3月20日発表): コンセプトは「COLORS」。一人ひとり違う選手が一つの方向を目指す姿を、11色のストライプで。オフホワイトの地に、赤を中央に置いています。エンブレムは初めてのモノクロで、アディダスのトレフォイルは1995年以来です。
炎は戻ってきています。サッカーキングが載せた2017年6月7日のリリースによれば、その日のシリア戦で日本代表は「炎モデル」を現代的に作り直したメモリアルユニフォームを着ました。袖に炎、襟元にジャパンレッド。そして2024年のコンセプトが、また「炎」でした。1998年の1枚は、順位表の1位である前に、作り手が戻ってくる1枚です。
雑誌の80位から71位 ↗ ・ 雑誌の50位から41位 ↗ ・ 古着店 ↗ ・ FOOTBALL ZONEの報道 ↗ ・ フットボールチャンネルの順位表 ↗ ・ JFA 2024 ↗ ・ JFA 2026 ホーム ↗ ・ JFA 2026 アウェイ ↗ ・ サッカーキング 2017 ↗
畳みながら思ったこと
三つの表に残った4枚は、1986年、1988年、1991年、1998年のものです。半分ずつの縞も、傷んだバナナも、最初は笑われました。褒められ方が変わるのに20年かかった1枚もあります。順位表は、その時の評者の一致です。 私が数えたのは2026年9月5日の三つの表で、表は差し替わります。
それより私が気になるのは、この4枚がいまどこにあるかです。40年前の布が「状態の良いもの」として値段の話に出てくるのは、誰かが箱にしまわずに置いていたからです。手元に古い1枚があるなら、順位より先に、風の通るところへ。畳むのは、それからでも間に合います。
この記事の順位・年・日付は、すべて2026年9月5日に各ページを開いて書き写したものです。順位はこのサイトの数え方によるもので、公式の格付けではありません。検索リンクの先の在庫と価格は変わります。
参考にしたページ
サッカーのクラブ・リーグ・協会・放送局・語り手の公式チャンネルは、このサイトのトップ と全チャンネル一覧 から観られます。選手の品の値段と置き方の話は見積もりを超えたのは、誰の1枚か 、スタジアムを訪ねる話は試合のない日に行く、世界のスタジアム12 に書きました。